ホームページにチャットボットを設置するとき、「何を登録すればよいか分からない」と悩む方は少なくありません。
最初から大量の質問を登録する必要はありません。まずは、問い合わせ前に多くの人が確認する質問、回答が頻繁に変わらない質問、回答後の行動につながる質問から始めるのが現実的です。
この記事では、中小企業のホームページで最初に登録しやすい「よくある質問」10個を、回答例と作成ポイント付きで紹介します。回答例はそのまま掲載するのではなく、自社の料金・対応範囲・契約条件に合わせて書き換えてご利用ください。
チャットボットの種類や導入手順から確認したい方は、先にホームページにチャットボットを導入する方法をご覧ください。
チャットボットに登録する質問を選ぶ3つの基準

どの会社にも共通する「絶対に正しい10問」があるわけではありません。自社に合う質問は、電話・メール・商談で実際に受けた問い合わせから選びます。
1. 問い合わせの回数が多い
同じ質問に何度も回答している場合は、チャットボットに登録する効果が見込めます。担当者の記憶だけに頼らず、直近3〜6か月のメール、問い合わせフォーム、電話メモ、商談記録を確認しましょう。
2. 回答内容が安定している
営業時間、対応地域、相談方法など、回答が一定の質問は自動化しやすい項目です。一方、個別見積もりや納期の確約など、条件によって答えが大きく変わる質問は、概要だけを答えて有人対応へつなげます。
3.
回答後の「次の行動」が明確である
FAQの目的は、質問に答えることだけではありません。「料金表を見る」「相談を予約する」「問い合わせフォームへ進む」など、利用者が次に何をすればよいか分かる回答にします。
トランスコスモスの2025年調査では、チャットを選ぶ理由として「すぐに回答してもらえる」が49.7%、「自分の都合のよいタイミングで利用できる」が45.5%でした。調査対象やサービスによって結果は異なりますが、利用者がチャットに速さと使いやすさを期待していることが分かります。
最初に登録したい「よくある質問」10選

以下の回答例にある金額、地域、期間、営業時間は、自社の最新情報へ置き換えてください。公開前には、営業・サポート・経理など関係部署にも確認してもらうと安心です。
1. 料金はいくらですか?
質問例
料金はいくらですか?
回答例
ご利用料金は月額4,980円からです。登録する質問数やAI回答の有無によってプランが異なります。各プランの内容は料金案内をご覧ください。自社に合うプランが分からない場合は、現在の問い合わせ件数や登録したい質問を伺ったうえでご案内します。
作成ポイント
「詳しくはお問い合わせください」だけでは、利用者が予算に合うか判断できません。最低料金、代表的なプラン、料金に含まれる範囲を可能な限り示します。個別見積もりが必要な場合は、金額が変わる条件も書きましょう。
チャットボットの初期費用や月額料金を比較したい方は、チャットボット導入費用の相場も参考にしてください。
2.
どの地域に対応していますか?
質問例
対応地域を教えてください。
回答例
オンラインでは全国に対応しています。広島・呉周辺では、内容に応じて対面でのご相談も可能です。訪問対応の可否は、場所とご相談内容を確認したうえでご案内します。
作成ポイント
全国対応、県内限定、店舗から半径○kmなど、範囲を具体的に示します。オンライン対応と訪問対応で範囲が違う場合は分けて書きます。
3.
相談や見積もりは無料ですか?
質問例
相談や見積もりに費用はかかりますか?
回答例
初回のご相談とお見積もりは無料です。ご希望の内容を伺い、対応範囲と費用をご案内します。調査や資料作成などで費用が発生する場合は、着手前に内容と金額をお伝えします。
作成ポイント
無料になる範囲を明確にします。「相談は無料だが、現地調査は有料」といった条件がある場合は隠さず記載します。
4.
申し込みから利用開始まで、どのくらいかかりますか?
質問例
申し込んだら、いつから利用できますか?
回答例
利用開始までの期間は、登録する質問数、回答文の準備状況、設置するホームページの仕様によって異なります。内容を確認した後、作業開始前に目安のスケジュールをご案内します。希望日がある場合は、相談時にお知らせください。
作成ポイント
確認前に「○日で必ず公開できます」と断定しないことが大切です。標準的な目安を掲載する場合も、期間が変わる主な条件を併記します。
5.
どのような業種・会社規模に向いていますか?
質問例
小さな会社でも導入できますか?
回答例
はい。問い合わせ対応を少人数で行っている企業や店舗でも導入できます。料金、営業時間、対応地域など、繰り返し聞かれる質問がある場合に活用しやすい仕組みです。個別相談が中心で共通の質問がほとんどない場合は、問い合わせフォームの改善が適していることもあります。
作成ポイント
「あらゆる会社におすすめ」とは書かず、向いているケースと向かないケースの両方を示します。利用者が自社との相性を判断しやすくなります。
6.
最低契約期間や解約条件はありますか?
質問例
最低契約期間はありますか?解約はいつまでに連絡すればよいですか?
回答例
契約期間や解約条件は、ご利用になるプランによって異なります。更新日、解約の連絡期限、解約後のデータの取り扱いを、申し込み前に書面でご案内します。不明な点は契約前にご確認ください。
作成ポイント
この項目は自社の契約書や利用規約と完全に一致させます。担当者の感覚で回答を作らず、更新日、連絡期限、違約金、データ削除の扱いまで確認しましょう。
7.
導入前に準備するものはありますか?
質問例
こちらで用意するものはありますか?
回答例
主に、よく受ける質問、各質問への正式な回答、案内先となるページのURLをご準備ください。質問が整理できていない場合は、現在の問い合わせ内容を確認しながら一緒に整理できます。ホームページの更新権限が必要になる場合は、作業前に安全な共有方法をご案内します。
作成ポイント
準備物を箇条書きにし、誰が回答文を確認するのかも決めます。ログイン情報を通常のメールやチャットへ直接書き込ませる案内は避けましょう。
8.
サポートの受付時間と連絡方法を教えてください
質問例
困ったときは、いつ、どこへ連絡できますか?
回答例
サポートの受付時間は平日9時〜17時です。Chatwork、LINE、メールからご連絡いただけます。土日祝日や営業時間外に受け付けた内容は、翌営業日以降に順次確認します。
作成ポイント
チャットボットが24時間表示されていても、人の対応が24時間とは限りません。自動回答の稼働時間と担当者の受付時間を区別します。
9.
チャットボットで解決できない場合はどうなりますか?
質問例
回答が見つからないときは、担当者に相談できますか?
回答例
はい。チャットボットで解決しない場合は、お問い合わせフォームから担当者へ相談できます。質問内容と連絡先をご入力ください。個人情報や契約内容を含む相談は、チャット欄ではなく専用フォームをご利用ください。
作成ポイント
自動回答で行き止まりにしないことが重要です。過去の国内調査でも、FAQやチャットだけでなく、必要に応じて電話など別の窓口へ移れる導線の重要性が示されています。問い合わせフォーム、電話、予約ページなどへの切り替え方法を用意しましょう。
10.
申し込み・相談はどこからできますか?
質問例
導入について相談したいです。
回答例
導入のご相談は、専用フォームから受け付けています。現在のホームページURL、よく受ける問い合わせ、希望する使い方をご入力いただくと、確認がスムーズです。内容を確認後、担当者からご連絡します。
作成ポイント
最後に必ず行動先を示します。「お問い合わせください」という文章だけで終わらせず、ボタンやリンクを置きます。入力項目は必要最小限にし、送信後の流れも説明しましょう。
読まれる回答文は「結論・条件・次の行動・有人対応」で作る

短い回答ほどよいとは限りません。利用者が判断するために必要な情報を、次の順番で整理します。
- 結論:できます/できません、○円からです、全国対応です
- 条件:プラン、地域、受付時間など、結論が変わる条件
- 次の行動:料金表、予約、問い合わせフォームへのリンク
- 有人対応:自動回答で判断できない場合の相談先
例えば「料金はいくらですか?」への回答を、「詳しくはお問い合わせください」だけで終わらせると、利用者は判断材料を得られません。「月額○円から」「質問数で変わる」「プラン表を見る」「不明な場合は相談する」まで書くと、次の行動が明確になります。
FAQ型とAI型で回答の作り方はどう変わる?
FAQ型は、登録した質問と回答の組み合わせを中心に案内します。回答の範囲を管理しやすく、料金や契約条件など、表現を正確に保ちたい項目に向いています。
AIチャットボットは、利用者の言い回しが異なっても意図を推定しやすい一方、参照情報の整備や回答範囲の設定が必要です。料金、法律、契約など誤りの影響が大きい内容は、公式ページへの誘導や有人確認を組み合わせます。
両者の違いは、FAQ型とAIチャットボットの違いで詳しく解説しています。
チャットボットに登録しない方がよい回答

次のような回答は、そのまま自動化しない方が安全です。
- 条件を示さない曖昧な料金
- 確認前に断定する納期や成果
- クレジットカード番号、パスワード、健康情報などの入力依頼
- クレーム、事故、契約変更など、担当者の判断が必要な相談への定型回答だけの対応
IPAのチャットボット案内でも、チャットボットへ個人情報を入力しないよう明記されています。自社のチャットボットで個人情報を扱う必要がある場合は、収集目的、保存先、アクセス権限、保存期間、削除方法を整理し、プライバシーポリシーと実際の運用を一致させる必要があります。
個別情報が必要な相談は、安全な問い合わせフォームへ移す設計が基本です。個人情報の取り扱いは、個人情報保護委員会のFAQなどの公的情報も確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
FAQを登録すればGoogle検索でも目立つとは限らない
チャットボットにFAQを登録することと、Google検索結果にFAQの質問と回答が表示されることは別です。
Googleは2023年、FAQリッチリザルトを原則として著名で権威ある政府・医療サイトに限定すると発表しました。Google検索セントラルの公式発表にもある通り、一般企業がFAQを追加しても、検索結果にFAQ形式で表示されるとは限りません。
FAQは検索表示だけを目的にせず、訪問者の疑問を解消し、必要なページや相談窓口へ案内するために作りましょう。
公開後に確認したい5つの項目

最初の10問を登録して終わりではありません。公開後は、少なくとも月1回、次の項目を確認します。
1. 質問の選択率
どの質問が多く選ばれているかを確認します。ほとんど選ばれない質問は、表現が分かりにくい、表示位置が低い、そもそも需要が少ない可能性があります。
2. 未解決だった質問
自由入力型の場合は回答できなかった言葉を、選択式の場合は「その他」「解決しなかった」の回数を確認します。繰り返し現れる質問は、新しいFAQ候補です。
3. 途中で離脱した位置
長すぎる回答や、次へ進む選択肢が分かりにくい箇所では離脱が起きやすくなります。文章を短く分け、ボタンの言葉を具体的にします。
4. CTAのクリック数
料金ページ、問い合わせフォーム、予約ページなどへのクリックを確認します。チャットの利用数だけでなく、その後の行動につながったかを見ます。
5. 有人対応への切り替え
有人対応が多い質問は、自動回答を改善できる場合と、最初から人が対応すべき場合があります。無理に自動化率を上げず、利用者が困らない役割分担を優先します。
問い合わせが少ない場合に確認したい導線は、問い合わせが来ないホームページにチャットボットが有効な理由でも紹介しています。
まとめ:まず10問から始め、実際の利用データで増やす
チャットボットに最初に登録したい質問は、次の10項目です。
- 料金
- 対応地域
- 無料相談・見積もり
- 利用開始までの期間
- 対象となる業種・会社規模
- 契約期間・解約条件
- 導入前の準備物
- サポート時間・連絡方法
- 解決できない場合の有人対応
- 申し込み・相談方法
最初から完璧なFAQを目指す必要はありません。実際の問い合わせを基に10問を作り、公開後の選択率や未解決質問を見ながら追加・修正する方法が現実的です。
「自社ではどの質問を登録すればよいか分からない」「回答文まで整理してほしい」という場合は、En-So
Bloomのチャットボット導入ナビをご覧ください。現在のホームページと問い合わせ内容を確認し、FAQ型・AI型の選定から質問整理、設置までご相談いただけます。
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